腎臓に合併症も起こる子宮奇形にどうしてなるのか?

子宮奇形を持っていると腎臓など他の臓器にも合併してトラブルがあることがあります。どうして腎臓や子宮に異常が起こるのか調べてみました。

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子宮奇形は生まれもったもの

子宮奇形は成長過程で奇形になるのではなく、お母さんのお腹の中にいる胎児の段階での異常です。つまり子宮の形は赤ちゃんの時にはすでに決まっています。

赤ちゃんから大人になるまでの成長段階では小さな子宮が大きくなっていくだけで奇形そのものは変わりません。

子宮の形が決まるのが胎児時代の6週から7週目です。なので奇形があったとしても自分の生活習慣がいけなかったとか、悩まずにむしろ自分が生まれもったカタチなんだと考えてみてはどうでしょうか。

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子宮が出来上がる仕組み

6週目から7週目の胎児の時に、子宮のもとになるミュラー管というものが作られます。これは男の子でも女の子でも関係なく作られる器官で、男の子の場合はミュラー管が途中から退化して無くなってしまいます。

女の子の場合は卵管や子宮の元になります。ミュラー管は手足と同じように左右にひとつずつに分かれています。だんだんと成長して形成されている中で左右の管が一つにまとまり、ひとつの子宮、2つの卵管、2つの卵巣になっていきます。

しかし子宮の元になる管がひとつになっていく過程で何か問題が起こると途中で形成が止まってしまいます。こうして子宮奇形が起こります。

どの段階で形成が止まったのか?によって奇形具合や奇形箇所が変わります。

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尿管や腎臓に合併症があることも

ミュラー管の形成段階に問題があると、尿管や腎臓にもトラブルを抱えていることがあります。例えば腎欠損という生まれつき腎臓がひとつしかないこともあります。

赤ちゃんは3000グラムくらいで元気に生まれると先天性異常などの血液検査以外の細かい検査をすることもなく大人になっていくので、腎臓が一つしかないことを知らないまま大人になることがあります。

低体重児や早産の場合は障害があるから早産になった…という可能性があるので色々検査をするので、赤ちゃんのうちから判明することもあります。

ですがほとんどの人は不妊という問題によって子宮奇形や腎欠損などが判明するようです。

子宮奇形は手術しないと妊娠できない?出産できる?

子宮奇形だから不育症になる人は10数パーセントの割合で存在するようです。10人に1人くらいは子宮奇形だから不育症になる、という割合です。じゃあ、子宮奇形を手術で治してしまえば妊娠しやすくなるのか?と思い調べてみました。

子宮奇形がある人の出産率

名古屋市立大学産婦人科のホームページに双角子宮(子宮がふたつに分かれている)や中隔子宮(子宮の内部に2つに分かれる壁がある)人と正常な人との出産率について調べた結果が紹介されています。

  • 子宮奇形がある人の出産率 59.5パーセント
  • 正常な子宮の人の出産率 71.7パーセント

となっています。子宮奇形があっても60パーセントくらいの人は正常に出産できるという結果になっています。しかも6割というのは結構出産率が高いと言えると思います。

つまり子宮奇形があっても出産はできる、ということがわかります。

子宮奇形がある人は2人目、3人目の子は作れる?

名古屋市立大学の調査によると累積出産率(2人目、3人目などの複数の出産)も紹介されています。

  • 子宮奇形がある人の2人目以降の出産率 78パーセント
  • 正常な人の2人目以降の出産率 85.5パーセント

という結果です。この数字は子宮奇形を手術で治さなかった場合でも78パーセントの子宮奇形の人が何回も出産できたことをあらわしています。

つまり子宮奇形の手術をしなくても78パーセントの人は出産できる、ということです。

子宮奇形の人は赤ちゃんが健康体でも流産しやすい

流産してしまう理由のほとんどは赤ちゃん自身の染色体異常が原因だと言われています。赤ちゃんの染色体異常がある場合、赤ちゃん自身が健康体でないために成長できず、流産してしまいます。

子宮奇形がある人と正常子宮の人が流産してしまった場合、赤ちゃんの染色体異常による流産の割合も名古屋市立大学が調べています。

赤ちゃんの染色体異常は正常子宮の場合でも一定の割合で起きることで、妊娠中の経過管理だけでは流産を防ぐことができないものです。

つまり赤ちゃん側の染色体異常の場合、妊娠前と初期に葉酸をとる、くらいしか対策しようがありません。赤ちゃんの染色体異常が原因の流産は止めようがないのです。

  • 子宮奇形がある人が流産した場合、赤ちゃんの染色体異常が原因であるケースは15.4パーセント
  • 正常な人が流産した場合、赤ちゃんの染色体異常が原因であるケースは57.5パーセント

正常な子宮の人が流産する原因の半分以上が、とめようのない赤ちゃんの染色体異常が原因だったのに関わらず、子宮奇形の人の場合、赤ちゃんの染色体異常が原因だった割合は1割から2割程度です。

つまり子宮奇形の人は健康な赤ちゃんにも関わらず流産してしまっている、という結果になっています。

この調査から「子宮奇形は赤ちゃんがうまく育たない、不育症の原因だ」と考えられます。

子宮奇形の手術をしたら妊娠しやすくなるのか?

子宮奇形が健康な赤ちゃんの流産原因になるなら手術してしまえば流産しないはず…と考えました。名古屋市立大学ではこの点についてさらに突っ込んだ調査をしています。

双角子宮を正常に形成手術した場合と手術しなかった場合の出産率を調べています。

  • 子宮形成手術をした場合の出産率 75パーセント
  • 子宮形成手術をしなかった場合の出産率 85.7パーセント

なんと、双角子宮の場合は手術をしない方が出産率が上がっているという皮肉な結果になっています。

中隔子宮の場合、子宮鏡下手術をした場合としなかった場合の出産率も調査されています。

  • 子宮鏡下中隔切除手術を受けた場合の出産率 86.5パーセント
  • 子宮鏡下中隔切除手術を受けなかった場合の出産率 69.2パーセント

となっており、中隔子宮の場合は手術した方が良いという結果になっています。

で、ここからの名古屋市立大学の見解に注目してください。

1980年代には、3回流産をすると次は100%流産すると私たちも思っていました。その後臨床経験をつんで、そうでないことが判りました。いまでも3回流産した患者さんは次に100%流産すると思っています。

流産に詳しくない医師もそのような誤解をしばしばします。流産がショックで避妊をする人もいらっしゃいますが、その時間を無駄にすることによって(加齢によって)出産が難しくなっていることも事実です。

流産した患者さんは自分を責めたり、自尊心が低下する傾向にあります。しかし、多くは胎児の異常で起こり、少なくとも女性の不摂生で起こるわけではないことを明記しておきます。

流産胎児には染色体が3本のトリソミーがみつかります。図29は名古屋市立大学の反復流産の胎児染色体検査の結果です。流産で見つかる染色体異常は16番トリソミーが最も多く、これは新生児には認められません。

ヒトは重篤な場合、生まれることが出来ない運命にあります。この子どもたちは妊娠初期が寿命であり、それが多くの流産の本質です。

85%のかたが出産できているのだから、前向きに妊娠に向かうことが重要です。とても辛いようでしたら、豆柴ダイヤルの心理士さんがお気持ちを伺います。みなさん、一緒に流産を乗り越えましょう。

名古屋市立大学産婦人科学教室より引用

手術のメリットがあるかもしれないけど、手術しない人が少なくて手術のメリットがはっきりしない…

目の前で患者さんに向き合っているお医者さんが肌で感じた感覚を信じるなら、やはり子宮形成手術を受けるのは慎重に考えた方が良いように思いました。

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